【推薦】弁理士・短答試験対策の実践的勉強方法

弁理士試験 短答試験対策

弁理士の資格取得を目指しておられる方で、効果的な勉強方法に悩まれておられる方が多いのではないでしょうか? 蓄積しなければならない知識量か膨大なので、効率よく勉強しないと資格取得まで何年もの期間を要することになってしまいます。

私は企業の研究開発部門に所属しながら勉強を続け、幸運にも平成23年に弁理士試験に最終合格することができました。その後、研究所から知財部に異動させてもらい、定年退職後に、関連会社の特許調査会社に勤務しております。

本記事では、私の受験の体験を踏まえ、弁理士試験に最終合格するための勉強方法について、特に短答試験対策の実践的な勉強法についてご紹介しています。

目次

短答試験対策の勉強方法

資格受験予備校をフルに利用する

短答試験の勉強は、LEC東京リーガルマインドなどの受験機関を利用します。私自身はLECの講座・答練を利用して勉強しましたが、不満に感じたことは無く利用して良かったと思っています。

また、本番の短答試験でも受験予備校の答練の問題と出題傾向が大きく異なることはありませんでした。とても役立ったと評価しています。

受講する場合は、東京近郊の方はできるだけ生講義をうけましょう。お忙しい方はDVDなどのメディアの活用もあります。目で文字を追うだけでなく、講師の力の入った説明を聞くことが、重要ポイントの理解を深めるうえでとても役に立ちます。

また、講義内容は授業で聞き流すだけではもったいありません。通勤時間などの空き時間を利用して、録音を繰り返し聞いて覚えましょう。現在の受講環境は分かりませんが、私が受講した頃は、授業の録音をカセットテープにダビングできるサービスがありました。

テキストは受験機関の用意したテキストを利用します。過去問集を除いて、それ以外にテキストを用意する必要はありません。手を広げずに一つのテキストを繰り返し読んだほうが実力が付きます。

私が受講した時は「短答アドヴァンステキスト」が優れモノでした。ネットで検索してもヒットしないので、今は出版されてないのかもしれません。

受験機関の短答答練は必ず受けましょう。

上述したテキストでインプットした内容を、市販の過去問集を使ってアウトプットの練習をし、受験予備校の答練で実力を測定します。間違ったところは解説を読んで納得がいくまで復習しましょう。

本番の短答試験の日が近づいたら、できれば他の受験予備校主催の短答模擬試験も受けてみましょう。

青本(工業所有権法逐条解説)の使い方

短答試験対策の段階では、青本を通読する必要はありません。青本は内容が難解なうえ量が多いので、初学者が最初から読み進めるのはお勧めしません。

本番の試験問題で青本に書いてあることから出題されることが多いのは事実ですが、短答試験対策では割り切って受験予備校のテキストを繰り返し読んだ方が点数アップにつながると思います。

青本は一度読んでも十分な理解は難しいです。二度、三度、四度読んで、「あぁ~、なるほど、そういいうことか!」という気づきが得られます。青本は論文試験対策まで楽しみは残しておきましょう。

勉強を続けるうちに、短答答練の問題の正解の解説内容に納得がいかない場合が出てきます。その時に、青本を辞書的に参照するという使い方がよいでしょう。

ついでに、法文集について紹介します。法文集は、PATECH企画の四法対照の法文集がお薦めです。少し大きめで価格も高いですが、特・実・意・商の条文が比較対照できるようにレイアウトされています。

そのため、特許法をしっかり覚えれば、対照される実用新案と意匠法の条文の理解がしやすくなります。また、実用新案法と意匠法特有の条文を覚えるのにも役立ちます。

全科目満遍なく試験勉強をおこなう、配点が低い科目を”捨てる”のは結果的に損をする

短答試験の試験科目と出題数は、特許・実用新案が20問、意匠が10問、商標が10問、条約が10問、著作権・不正競争防止法が10問、の合計60問です。

試験日が近づいて勉強が間に合わなくなると、「(例えば)著作権を捨てる!(=勉強をやめる)」などと腹を括る方が現れますが、決してお薦めしません。出題数が少ない科目は比較的易しいサービス問題が出される可能性があるからです。

科目別難易度では、特許・実用新案が相対的に難しいです。合計点で良い点が取れても、特許・実用新案の点数が低い場合は、勉強が足りてないと反省すべきです。特許・実用新案で安定して得点できるようになりましょう。

短答試験の受験テクニック

受験テクニックといえるか分かりませんが、私の経験から参考になればと、以下に紹介します。

■特許・実用新案=>意匠=>商標=>条約・著作権・不競法 の順に解く

短答試験の問題冊子は、各法律の問題文がランダムな順序に閉じられています。特実20問・意匠10問・商標10問・条約10問・著作権/不競法10問の順番で閉じられているわけではありません。

そのため、1ページ目からめくっていくと、思考が「特許あたま」になったり、「商標あたま」になったり、都度変わることになります。毎ページ、あたまがリセットされるので、問題を解きにくいと言えます。

そこで、ページを飛ばして「特許・実案」の問題だけを最後まで解き、次に最初に戻って「意匠」の問題だけ、「商標」の問題だけを同様の方法で解いていきます。最後に「条約・著作権・不競法」は一緒に解きます。

このようにすると、頭の切り替え頻度が少なくなるので効率よく回答できるという利点があります。反面、タイムマネジメントがやりにくい、マークシートへの転記する際にマーキングする場所を間違える可能性がある、というデメリットがあります。

この方法を試験本番でいきなり試すのはリスクが大きいので、模擬試験等で試してみてから使いましょう。

■出題の狙いを推測して問題文を読む

過去問や答練を積み重ねると、多くの受験生が間違いやすい点、即ち出題されるポイントが見えてきます。簡単な例で言えば、問題文の「特許庁長官」「審判長」「審査官」の主語を入れ替える、などです。問題文を読んで○×を判定するときに、そういう点に着目しながら問題文をチェックしていくと早く解が見つけられます。


なお、お時間があれば、弁理士試験対策の勉強方法についてまとめた【保存版】合格者がすすめる弁理士試験の実践的勉強方法もご覧ください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です