【推薦】弁理士・選択科目試験対策の実践的勉強方法

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弁理士の資格取得を目指しておられる方で、勉強方法に悩まれておられる方が多いのではないでしょうか? 蓄積しなければならない知識量が膨大なので、効率よく勉強しないと資格取得まで何年もの期間を要することになってしまいます。

私は製造業の研究開発部門に所属しながら勉強を続け、幸運にも平成23年に弁理士試験に最終合格することができました。その後、研究所から知財部に異動させてもらい、定年退職後に、関連会社の特許調査会社に勤務しております。

本記事では、私の受験体験を踏まえ、弁理士試験に最終合格するための勉強方法について、特に選択科目試験対策の実践的な勉強法についてご紹介しています。弁理士試験の選択科目って何? お薦めの選択科目は? どうやって勉強すればいいんだろうか? など悩まれている方は、どうぞご一読ください。

目次

選択科目試験とは? 免除できるの? お薦めの選択科目は? 勉強方法は?

要確認! 選択科目試験が免除される条件

弁理士試験ではあまり注目されていませんが、以下の条件を満たしている方以外は、選択科目試験を受験し、合格する必要があります。弁理士は依頼者から説明を受けて、発明内容を理解して特許明細書を作成する必要があります。ですから、それなりに理工学的な専門知識が必要になります。これは当然と言えば当然です。

なお、大学の修士課程以上を卒業している場合などは、選択科目試験が免除されます。修士卒以外にも、以下の条件を満たしていれば選択科目の試験が免除されることになっています。

  1. 論文式筆記試験選択科目合格者
    • つまり、選択科目試験に一度合格すれば、その後は永久に免除されるということです。
  2. 修士・博士・専門職学位に基づく選択科目免除資格認定を受けた方
    • 理系では大学院に進学する方が多くなりましたが、その方々は免除されます。
  3. 特許庁が指定する他の公的資格を有する方
    • 一級建築士、薬剤師、司法書士、行政書士などの資格を有する方々は免除されます。

私の場合は、学部卒で免除資格も持っていませんでしたので、選択科目試験を受験しなければなりませんでした。

「試験科目及び出題数」はこちらを参照ください。

ちなみに受験した科目は「理工I(機械・応用力学)」を選択しました。記憶が定かではないのですが、試験では複数の問題の中から科目を選択した回答する形式でした。私は、「材料力学」の問題と、「熱力学」の問題を選択して回答しました。

お薦めの選択科目というものがあるのでしょうか? 知りたいところですが、自分の得意科目/比較的好きな科目を選択するのが良いと思います。あくまでも参考ですが、私の場合は入社後に機械設計業務に携わり、ばねの応力を計算したり、高強度の材料を扱ったりしていたので、即決で材料力学を選択しました。また、大学時代に教授が『熱力学にはロマンがある』と言われたことが印象に残っていて、確かに楽しく学ぶことができたので、熱力学を選択しました。

選択する科目によって難易度が異なると言われているようですが、年度によって難易度が変わるとも言われています。また、難易度と合格率が相関しているとも限りません。結局のところ、科目の選択は自分の得意とする分野、好きな分野を中心として、インターネット等で難易度についての情報を参考にして、受験科目を決めると良いでしょう。

勉強方法は、市販の理工学書を使った独学が主流!

勉強を始める前に、過去にどのような問題が出題されていたか、難易度はどれくらいなのか、など習得すべきレベルを確認しましょう。合格には、大学の学部卒レベルの専門性が求められます。どのくらいのレベルが求められるかを知るために、特許庁のホームページに平成14年度以降の「選択科目の問題及び論点」が掲載されていますので必ず確認しておきましょう。こちらです。 令和2年度の「選択科目の問題及び論点」は、こちらです。

過去問を研究して出題される問題のレベル(難易度)が確認できたら、教科書として使う専門書を選びます。大学の時の教科書を持っている人はラッキーです。一度目を通しているので思い出すのも早いでしょう。教科書を捨ててしまっている方も多いでしょう。その場合は理工学書を扱っている書店で、演習問題が豊富に載っている書籍を選ぶと良いです。理論専攻の難解な本は適しません、解りやすくて演習問題/解答が多く載っている書籍が良いと思います。また、分厚い本を選ばずに、厚さ1cm~2cm位の本を繰り返し読んだ方が良いです。

その後は、教科書を使ってひたすらインプットと演習問題を解くことに専念します。選択科目の合格ラインは60点と言われていますから、大学の試験勉強と同じです。ちなみに、選択科目も筆記式ですから、計算式も書けるようにしておくことは勿論です。

選択科目の勉強は、短答試験終了後すぐに始める!

選択科目の受験勉強はいつやればいいのか?という問題があります。

令和3年度の弁理士試験のスケジュールは、短答試験(7月18日)・・論文試験・必須科目(8月29日)・・論文試験・選択科目(9月19日)となっています。結論から言えば、初学者の場合は短答試験終了後すぐに選択科目の受験勉強を開始して、選択科目の勉強に専念するのが良いと思います。つまり、論文必須科目の勉強は敢えてやらないで選択科目の勉強時間を確保するのが良いと、私は思います。

理由は、①選択科目は一度合格すればその後は免除になるので、確実に合格を取りに行くためです。選択科目に合格しておけば、特実意商の論文試験の勉強に集中できますので、大きいです。また、②特実・意匠・商標の論文試験は、弁理士試験における最難関の核心部ですから、そう簡単に合格できるものではなく、生半可な準備期間では敗退する確率が高いからです。


なお、お時間があれば、弁理士試験対策の勉強方法についてまとめた【保存版】合格者がすすめる弁理士試験の実践的勉強方法もご覧ください。

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