【体験記】シニアの私が50代半ばで弁理士試験に合格するまでの紆余曲折

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本記事では、シニアの私が50歳台で弁理士試験に合格するまでの体験をご紹介しています。これから弁理士試験にチャレンジしようと考えられている方のお役に立てればと思います。また、50歳台から勉強を始めても合格の可能性は十分にあります。是非ご覧ください。

目次

弁理士試験の勉強を始めたきっかけは、知的財産検定にたまたま合格したから

弁理士試験に合格するまでの私の経験をもとにして、これから弁理士を目指す人やまさに受験勉強中の人に対して、役に立つ情報を提供していきます。まずは、弁理士試験最終合格までの私の体験をご紹介します。

弁理士の資格試験に挑戦しようと思ったのは、たまたま『知的財産検定』に合格したことがきっかけでした。当時40歳台だった私は、新規事業へ参入するための特許調査の仕事に就いていました。

仕事に役立つかもしれないと思い、当時できたばかりの『知的財産検定』に合格するために勉強を始めました。『知的財産検定』というのは、日本弁理士会が後援し、2004年から知的財産教育協会によって実施された検定試験です。その後、2008年からは国家資格の知的財産管理技能士を認定するための『知的財産管理技能検定』に移行しました。

それで、たまたま一回目の受験で知的財産検定1級の資格を取得できてしまいました。その時に、特許法というのは割とおもしろいものだと思いました。また、周りの同僚や上司から、次は弁理士試験を受けてみたら・・などとおだてられ、その気になってしまったわけです。

因みに『知的財産検定』の受験勉強は、本を一冊?だったかな?買ってきて独学で勉強するだけでした。そのため、費用も殆どかかりませんでした。

最初の短答試験では3点足らず敗退!

弁理士試験の受験勉強を開始して1年目(実質的には受験日までの半年)は、市販の短答試験過去問集とLECの短答答練を中心に勉強しました。短答の答練を受けた場所は町田のLEC(東京リーガルマインド)でした。周りは若い人達ばかりで気恥しくもあり、一方で嬉しい気持ちもありました。

答練ではいつも時間が足りず、最後の問題まで解くことができませんでした。いつも時間との戦いで、瞬間的に問題を読み取らなければならないので集中力マックスの状態でした。また、この頃には老眼も進んでいたので試験対策専用の老眼鏡を新調したほどでした。

最初の受験会場は慶應義塾・三田キャンパスでした。短答の試験時間は3時間半、ぶっ通しです。5枝の択一式でマークシートにて解答します。出題数は60問ですので、ざっくり300個くらいの問題文を読んで○×を判断することが求められます。3時間半も集中すると、かなり疲れます。

最初の受験では時間が足りず、最後の方はあてずっぽうに適当にマークして試験が終了しました。しかし、最初の受験は残念ながら不合格に終わりました。

受験勉強を始めて2年目に短答試験に合格!

1回目の試験が不合格に終わり、独学では限界を感じました。50歳のオジサンには残された時間が少ないので、勉強効率をあげるためLECのセミナーに通うことにしました。当時は飯田橋にLECがありました(その後、水道橋に統合)。

東京在住という地の利を生かして、LECの生の講座を聴講することができました。当時の佐藤先生の講義を興味深く聞くことができ、内容が頭にスッ、スッーと入ってきました。また、周りの若い人達と一緒に勉強していることに充実感を感じることができました。

年が明けてからは、短答答練に足しげく通いました。当初時間に追われまくっていたオジサンでも、答練を受けるにしたがって時間配分がうまくできるようになりました。多少の余裕も出てきて得点も少しづつアップして、手応えを感じることができるようにまでなりました。

2回目の短答試験が終わり受験会場を去るときに、「やった!」という実感を感じ、帰りの電車の中でも合格を確信する自分が居ました。果たして、受験勉強を始めて2年目に短答試験に合格することができました。

そして、合格したこの年度から、短答試験合格者は2年間試験が免除(翌々年まで短答試験が免除)されることになり、非常にラッキーでした。

短答試験合格後は選択科目の試験対策に専念! 結果合格!

短答試験合格後、通常は論文試験対策に取り掛かるのが通常ですが、そうしませんでした。特実意商の論文試験対策は、ちょっとやそっとでは実力が合格レベルに達しないと考えていましたので、その年の合格は諦めて論文の勉強は全くしませんでした。その代わり、選択科目(材料力学と熱力学)の合格を狙って集中的に勉強しました。

私は工学部の学卒でしたので、専門科目の免除資格はありませんでした。昨今、大学で理系を専攻する学生は修士に進む方が大変多くなりましたが、私が大学生の頃は修士に進む学生数は1割~2割程度で、少数派でした。

余談ですが、就職難で希望する企業への就職が難しく、修士課程を取って就職浪人するというやむを得ない状況から、今や、当たり前のように修士・博士課程に進む学生が増えてきているように思います。博士課程に進むと、就職がかえって難しくなると思うのですが・・・

選択科目では、理工Ⅰ(材料力学と熱力学)を選択しました。学生時代に興味があった科目だったことが選択した理由です。勉強法は工学書を取り扱っている書店で適当な教科書的な本を購入し、独学で勉強しました。本を選ぶ時のポイントは、演習問題が多く、かつ解答が省略されないできちんと書いてある本です。

選択科目試験は記述式ですから、基本的に解答に至るプロセスがきちんと書かれていなければなりません。問題を解いた後に、解答を見て腑に落ちるものではなくては身につきません。

その結果、選択科目に合格することができました。

なお、特実意商の論文試験も受験しましたが、全くの記念受験でして、翌年のために論文試験の雰囲気を掴むのが主目的でしたので、論文試験は不合格でした。

結果、勉強開始後2年目の成果として、短答試験合格!、選択科目合格! という狙い通りの結果でした。そして、「来年は論文試験と口述試験に合格するだけだ!」と目論んだのですが、今思えば思い上がりでした。

論文試験で足踏み

受験生3年目、短答試験と選択科目は免除されたので、いよいよ論文試験対策に代々木塾の論文答練に通いました。塾長の堤先生の教え方が分かりやすく、代々木塾では割と良い点数が取れていました。

今思えば、このまま代々木塾に集中していれば良かったのですが、当時は論文試験の合格をより確かなものにしようと、途中から他校(Wセミナー/現TAC)の答練も掛け持ちで受講することにしました。これがいけなかった。

あくまで私の個人的な感覚ですが、受験予備校によって論点の問題文への仕込み方が違うようです。正面から論点を問う問題や、ややひねっている問題、論点を隠している問題、など受験予備校によって傾向が異なっていると感じました。

十分な実力がついていない段階でパターンの違う問題に対すると、答案作成のスタイルがあっちに行ったりこっちに来たりで、混乱してしまいます。自分なりの答案作成スタイルが確立できないまま論文試験の受験を迎えることになり、ひどい答案を出す羽目になりました。結果的に3年目の論文試験対策に失敗してしまいました。

自らの経験から、論文答練では受験予備校は1校に絞って自分なりの答案作成スタイルを作り上げたほうが良いと思います。論文試験直前に行われる模擬試験に限っては、各受験予備校が用意している模試を受けるのはありだと思いますが。

受験生4年目、短答試験の免除期間はこの年限りなので、背水の陣で論文試験の準備をしました。3年目の失敗を反省して、早稲田セミナーの答練1本に絞りました。

ところが、試験当日に体調を崩し、集中力が続かず失敗!まさかの不合格。3年目、4年目で得た成果は全く無し!短答試験の免除まで失って振り出しに戻ることになってしまいました。

短答試験・論文試験・口述試験と一気呵成に、ついに最終合格!!

受験生5年目(54歳/2011年)、意地でもここで諦める訳にはいかないので、短答答練から再開しました。

忘れもしない2011年3月13日(日)、そうです、東日本大震災の翌々日には、新宿LECのビルで短答の答練を受けていました。私以外に受験生が数人いました。答練の途中で大きな余震があったりして、自分ながらよくやるよ。

さて本番、短答試験が終わった時には合格を確信し、後日に行われた論文試験も手ごたえがありました。たぶん合格したな!と確信し、すぐに口述の答練(早稲田セミナー)に通いました。

論文試験の合格が発表になってからは、口述の答練/模擬試験を受けまくりました。お金がかかって懐が痛かったけど、この年に受からないと・・・、と背水の陣です。

口述試験本番では、特許がスムーズに行き過ぎて時間が余り、最後は雑談するほど、「特許の合格はもらったな!」と好感触。つづいて意匠でも合格の感触。「特許と意匠はもらった!」最後の商標は、ひやひやだったが何とか乗り切った感。

受験生5年目の成果 短答試験合格 論文試験合格 口述試験合格 一気呵成に最終合格まで突っ走ることができました。

合格者が勧める弁理士試験の実践的勉強方法

弁理士試験合格後、実務修習を終了。弁理士試験合格を機に、上司に希望して研究所から知財部に異動しました。その後、知財専門会社に転職して今に至ります。

弁理士試験対策の勉強方法については、【保存版】合格者がすすめる弁理士試験の実践的勉強方法 に詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

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