キャリアチェンジを検討するなら特許調査の仕事をおすすめする8つの理由

研究者や技術者の方へ、キャリアチェンジしたい、職種を変えたいと考えたことはありませんか? もし、職種を変える気がお有りでしたら、特許調査の仕事へキャリアチェンジすることをおすすめします。本記事では、特許調査という仕事へのキャリアチェンジについて自らの経験を交えてご紹介しております。

目次

技術の第一線から退かれたら、特許調査の仕事がおすすめ

大学/大学院で理系を専攻した方は、入社すると研究所や技術開発部に配属され、基礎研究や製品開発に携われる方が多いと思います。

しかし、定年退職するまで研究所や技術開発部に残れる人はごくわずかです。専攻する研究テーマや技術分野によっては、残れる人は皆無と言えるかもしれません。現代では技術の進歩が目覚ましいので、定年退職するまで同じ技術に関わり続けることは、なかなかありません。

例えば、フィルムカメラの設計技術者として入社して光学系の設計技術を身に着けたとしても、その後現れたディジタルカメラではその技術を活かしきれなかったり、更に、スマートフォンにコンパクトカメラの市場を奪われて活躍できる場が失われることすらあります。

また、プリンタ技術においても、ドットインパクトプリンタからインクジェットプリンタやレーザープリンタなど技術が大きく変遷しています。自動車産業においてもレシプロエンジンからEV電気自動車(二次電池やモータ)へと変わりつつあります。エンジン設計技術者の活躍の場はなくなりそうです。

このように技術の変遷スピードが速い現代にあっては、50代を過ぎても技術の第一線で活躍できる人はほんの一握りでしょう。多くの研究者/技術者は、研究テーマや技術分野を大きく変えるか、営業職を含む新たな職種への転換が求められることになります。

昨今言われているように、生涯を通じて同じ職種で働くのは難しくなっています。会社人生の途中で職種の転換が求められる時代になっています。そこで、研究や技術の一線から退かれる方に職種転換先としておすすめしたい職種があります。

それは、特許調査という仕事です。

特許調査の仕事をおすすめする8つの理由

元研究者や元技術者が特許調査という仕事に向いているのは何故でしょうか?第一線を退かれた研究者や技術者の職種転換先として特許調査の仕事をお勧めする理由を以下に列記します。

適性に関することが4つ、特許調査を通じて得られることが4つあります。

高い専門技術力を保有する

一つ目は、当然ですが保有する専門技術力です。現役のときの専門技術に関する特許調査なら、難なく調査できるはずです。

特許調査の一つである無効資料調査では、過去に出願された特許公報から無効資料を探し出します。もし、専門分野であれば「この技術だったら先願の特許があったはずだ、たぶんX社から出願されていたような気がする」などと、効率が良い調査が期待できます。

また、技術動向調査においても、当該技術にどのような技術課題があるのかを十分に理解し、解決手段についてもある程度熟知していますから、発明の理解が早く内容の濃い調査が期待できます。

周辺技術に対しても理解力がある

二つ目は、周辺技術についても理解していることが期待できるからです。例えば、自身は機器の電源ユニットの技術開発を担当していたと仮定しましょう。それでも、コントローラーや機械構造、ファームウェア、ユーザーインターフェースなどについても、ある程度知識を有している筈です。何故なら現役の時に製品開発を通してそれら技術の担当者と接していますし、実際に”モノ”も見ているので、肌感覚で理解ができると考えられます。

未知の技術を理解する意欲・能力がある

三つめは、未知の技術に対しても理解力があると期待されます。経験していない技術分野に対しても、特許公報を熟読しネットで専門用語を検索することで、書いてある内容がある程度理解できるようになる筈です。おそらく、長年の研究・技術での経験によって、頭の構造というか思考回路が、知らない技術でもある程度理解ができるように培われているのではないかと推測します。

技術に対する知的好奇心に溢れている

四つ目は、技術に対して知的好奇心があることです。特許調査では、A.I.や5Gなどの新しい技術について調査する機会も多くあります。

最新技術の調査では、特許情報を補足するために検索エンジンを使ってウェブ上にある一般情報を調査することがよくあります。世の中で話題になっている新しい技術について ” 仕事 ” として調査することができるのです。どうですか、技術者としてこんな好奇心を満たしてくれる楽しい仕事は、なかなか無いでしょう。楽しく仕事ができれば、調査報告書という成果物も良いものが期待できます。

特許調査を通じて英語読解力の向上が図れる

特許調査では国内特許のみならず国外特許を読む機会も増えます。英語は苦手だ!という方もご安心ください。ご存知のように、Google翻訳を使うとほぼ支障なく英文の特許を読むことができます。

米国特許の調査において対応する日本出願が有る場合には、発明の概要を把握するために国内特許(日本特許)を読みます。しかし、日本語への翻訳が不正確と疑われる場合や発明の核心部分を注意深く読み解く場合は、原語(英語)を読む必要があります。特にClaimは出願国で変わっていることが多いため、正確な理解のために英語で読む必要があります。

このようにして、英語を読む機会が増えますので、知らず知らずのうちに英語の読解力が向上することになります。

長期間、仕事を続けることができる

特許調査はパソコンさえあればできる仕事なので、体力的にきつくなく、頭さえあれば長く続けられる仕事です。また、殆ど個人作業なので人間関係に悩まされることもありません。納期を守れば、マイペースで仕事を進められ、有給休暇も取りやすいと言えます。

事業に貢献できる

特許調査の中でも無効資料調査は、事業に直接貢献できる調査の一つです。例えば、特許権を侵害しているとして他社から警告を受ける場合や、自社の製品開発にとって邪魔になる他社特許が見つかる場合があります。そんな時、その他社特許を無効化するための資料を探しだすことができれば、自社事業にとって非常に大きな貢献になり得ます。

また、自社が新規事業を始めようとするときには、市場規模などの調査とともに特許調査も行います。特許調査によって、当該事業のどのセグメントにどれだけの件数の特許が存在するのか、或いは、どんな企業が進出しているのかなどの情報を会社に提供できます。会社がその事業へ参入すべきか否かを判断する際に、提供された特許情報は非常に役に立ちます。

このように、特許調査を通じて会社の事業に貢献できる働き甲斐のある仕事です。

個人事業主として独立できる可能性もある

現在は、60歳で定年退職し65歳まで再雇用で働く方が多いと思います。特許調査の仕事を続ける中で特許検索技術をはじめとする調査能力が養われれば、65歳以降も会社から特許調査の仕事を請け負って、個人事業主として仕事を継続することができます。

特許調査の仕事は、個人作業が主になりますので、調査の腕次第では独立を視野に入れることが十分にできます。

特許調査という仕事を考えてみませんか?

以上説明したように、研究者や技術者だった方は、特許調査の仕事に関して、間違いなく適性があります。積み上げてきた専門知識を定年退職で埋もれさせてしまうのは、実にもったいないと思いませんか?

研究者や技術者であられた方、第一線を退かれた後に特許調査という職種への転換を検討されては如何でしょうか?


ここまで読んでいただき、どうも有難うございました。

是非、また、当ブログを読んでいただきますよう、よろしくお願いします。

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