昭和の日本の技術力は凄かった 関数電卓 CASIO fx-991
定年退職の日を間近に控えた或る日、身の回りの品々の断捨離をしていました。すると、ガラクタの中から1つの電卓が出てきました。可哀そうなほど手垢と埃にまみれていました。まだ捨てずに持っていたのか。ひょっとして動くのか・・・?
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昭和59年発売の関数電卓 CASIO fx-991
昭和55年に電機メーカーに就職した私は、プリンターの機械設計を担当していました。機械設計といっても、ドットインパクト式プリンターのヘッド設計が主担当でした。そのため、ヘッドのヨークの磁路の必要断面積の計算や、漏れ磁束の見積もりなど、磁気回路の設計にパーミアンス法を使っていました。
『パーミアンス法』とは、磁石から空間に漏れる磁束の量の度合を求める方法です。ご興味のある方は、こちらを参照ください。
その当時、パーミアンス係数を計算するために関数電卓のCASIO fx-991を購入したのでした。ネットで当時の価格を調べようとしたのですが、結局分かりませんでした。ペーペーの平社員にとっては安くない金額だったと思います。
電源供給はソーラーセルを使っていました。それが幸いしたのでしょうか、ほったらかしでも電池の液漏れによる腐食ということもなく、38年経った現在でも、何ら問題なく動きました。完動品/感動ものです。
最初に購入した関数電卓は CASIO FX-602P
話は遡りますが、入社して最初に購入した関数電卓は、CASIOの FX-602Pでした。整理をしていて、今回思い出しました。
FX-602Pは昭和56年(1981年)に発売された、プログラマブルな関数電卓です。当時の定価で29,500円もしました。当時の給料の3分の1ほどなので、入社したての新人が買うには高価すぎる電卓なのです。当時、同僚から「正気か?」とからかわれた覚えがありました。
その後、前述の fx-991 に買い替えたのですが、FX-602Pが壊れたのか、使い勝手が悪かったのか、その辺の経緯はまったく覚えていません。とにかく、FX-602Pは現在手元にありません。
fx-991 の後に、電子手帳ブームがやってきて、昭和63年(1988年)にSHARPのPA-8500を買い増ししました。PA-8500への期待が大きかったこともあって、実際の機能との間にギャップを感じていました。PA-8500も現在手元にありません。
というわけで、fx-991を使い続けていたのですが、その後、会社にHPのワークステーションが導入され、個人にもMacintosh(現在のMac)が導入されたので、関数電卓は次第に使わなくなりました。
CASIO fx-991 38年経った今でも使える 昭和の技術力の凄さ
fx-991の押しボタンの周りの汚れをアルコールで拭き取ってきれいにしてあげました。それにしても、38年経った現在でも当時の機能のまま使えるなんて、昭和の技術力の高さに驚くばかりです。
自分の身の回りの製品で、おそらく最も古いものに違いありません。関数演算する機会は、略ほぼ無くなりましたが、四則演算には使えるので、今後もずっと愛用し続けることでしょう。
ここまで読んでいただき、どうも有難うございました。
是非、また、当ブログを読んでいただきますよう、よろしくお願いします。