特許出願の審査請求後、経費節約のために出願を取下げるケースがある

お金

「審査請求料返還制度」をご存知でしょうか? 審査請求した後に権利化の必要性が低下したなどの理由により出願を取下げ又は放棄すれば、請求により審査請求料の半額が返還されるという制度です。

本記事では審査請求料返還のために出願の取下げを検討した経験に基づいて、「審査請求料返還制度」をご紹介しています。

審査請求した出願の取り下げについて検討依頼があった

研究所では特許担当(窓口)をしていた或る日、知財部から出願を取り下げても良い案件をリストアップして欲しいとの依頼がありました。しかし、どの案件も最近審査請求した案件です。

苦労して審査請求すべき案件を絞り込んで、決して安くない審査請求手数料を払ったのに、権利化を諦めて出願を取り下げるとはどういうことでしょうか? なかなか納得できない依頼内容でした。

しかし、『出願を取り下げると、払った審査請求手数料の半額が戻ってくる場合があるんだよ』というのです。それで、しぶしぶ引き受けたのですが、後日それが「審査請求料返還制度」というものであることが分かりました。

一定の条件下で出願を取下げると、納付した審査請求料の半額が返還される

特許庁のホームページによると『特許出願の審査請求を行った後、権利化の必要性が低下した特許出願又は先行技術調査により特許性がないことが判明した等の特許出願について、特許庁が審査に着手する前に出願を取下げ又は放棄をすれば、その取下げ又は放棄をしてから6ヶ月以内に返還請求することにより、納付した審査請求料の1/2(半額)が返還される制度』ということです。(審査請求料返還制度の説明はこちら

なるほど、審査請求後に権利化が不要となっても審査請求自体は取り下げることはできません(特許法第48条の3第3項)。しかし不要と分かっていながら審査してもらうのは、出願人/特許庁双方にとって無駄です。出願の取り下げで審査請求料の1/2(半額)でも戻るなら利用したい制度です。なお、特許法の第195条9項には審査請求手数料の返還について規定されています。



ここまで読んでいただき、どうも有難うございました。

是非、また、当ブログを読んでいただきますよう、よろしくお願いします。

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